医療事故をなくしたい

被害に遭ったら専門の弁護士へ相談を

インプラントが原因で唇のしびれがとれなくなった患者さん

当時働いていた歯科に、インプラントのやり直しを希望される患者さんが来られました。 既に他院でインプラント治療が完了しているそうですが、その直後から下唇のしびれが続いて取れない、インプラントのせいだと思うからやり直しをしてほしいということでした。インプラント治療を受けた歯科にはもうかかりたくないとおっしゃっていました。

インプラントは右下の奥に1本入っていました。インプラント治療は骨に直接人工の歯根を埋めるもので、歯科治療の中でも侵襲が大きく、最初にしっかりと診断と治療計画を立てなければ医療事故につながりやすい治療です。

その方のCT撮影画像をみたところ、下顎の下部分に通っている神経を右下のインプラントが圧迫していて、そのため下唇のしびれが出ていることが分かりました。歯科医師の診立てでは、原因をとればしびれが改善される可能性は充分にあるが、すでに神経が傷ついてしまっている場合は、そのインプラントを外してもしびれが残るかもしれないということでした。

患者さんと相談のうえで、まずは今埋入されているインプラントを取り除き、その後しびれが改善されれば新たにインプラント治療を始めるという計画が立てられました。

しかし、インプラントを取り除く手術をした後もしびれは改善されませんでした。元々のインプラントはかなり強く神経を圧迫していたようで、その後も高周波を当てて症状の改善を図りましたが、取り外す前と全くしびれの程度は変わらない、と困っておられました。

こちらとしてもできる範囲の治療はしましたが、もともと他院で受けられた治療の保証をすることはできません。当然取り外しの手術も高周波治療にも治療費はかかります。その患者さんも一度は知り合いの弁護士に相談したそうですが、手術の同意書なども残っていることと、それにかかる労力、もう前の医院には行きたくないという思いから断念されたそうです。

インプラント治療を考えられている方は、CT撮影などでしっかりと顎の骨やそのまわりの神経の状態を診断して説明してくれる歯科医院を選ぶように気をつけてみてください。